「カラフルで可愛いすぎる」「おしゃれ」と発売以来SNSなどで話題になってる「ウイロバー」。昔から親しまれてきた従来のういろとはまったく異なる、文字通り「バー」を使ったビジュアルが、鮮烈なインパクトを与えています。

実はこの「バー」にも試行錯誤の物語があります。初代は、木製でした。アイスキャンディのように持ちやすく食べやすく、そして外観も可愛く、と考えたからです。しかし発売後、想定外のことが起きました。木の香りがういろに移り、商品本来の風味を満喫いただけない懸念が出てきたのです。予想以上の売れ行きで、お客様にご不便をかけないよう、生産性を上げることも急務となりました。

まずはバーの素材を見直し、ういろの風味に影響のないプラスティック製としました。形状は、様々なパターンの中から、先端がやや丸みを帯びたものに。バーをういろに差す工程を、機械より早く確実にできる手作業に切り替えたのに伴い、安全に差し込め、安全に食べられることを重視したためです。

バーの色は、ういろと同系にする、パッケージと相性の良いグレー系にする、といったことも検討しましたが、最終的には日本の伝統色から選びました。決定したのは、伝統色の中でもういろが美味しそうに見える「鈍色(にびいろ)」です。

また、デザインも検討を重ねました。バーに刻印する大須ういろのロゴマークは、食べ終わった時も楽しんでもらえるよう先端にしたほうがいいのか、それとも最初から見えているほうがいいのだろうか。刻印の大きさや仕様はどうするか、文字との組み合わせもいいのではないか、周りに溝を作って立体的に見せたらどうだろう。「バーにできること」を最大限追求し、表現の幅を広げていきました。

一番ふさわしいバーとして、私たちが辿り着いた答え。それは「ういろという主役を引き立てる」ものでした。同時に、持ちやすさと食べやすさを大切にし、持ち手の長さ、抜けにくさ、折れないしなやかさに配慮しています。多様なデザインをシンプルに集約した、主役が映えるバー。どうぞ手に取ってご覧ください。